【当院の一般的な腫瘍科診療の流れ】
|
|
|
|
|
(当院に来院され腫瘍疾患と診断されたワンちゃん、ネコちゃんの凛告TOP5))
|
●ふと、体を撫でていたらしこりを見つけた。
|
●なかなか治らない慢性の皮膚疾患、血尿、下痢、嘔吐。
|
●急にあごの下にグリグリするしこりができた。
|
●最近元気がなく、食欲もだんだんと落ちてきて痩せてきた。
|
●定期的な健康診断で来院。
|
|
|
|
1:明らかに確認できる部位(皮膚、皮下、リンパ節等)にしこりがある場合。 |
可能であれば細胞診*を当院で迅速に行います。 |
|
*細胞診(注射針でしこりから少量の細胞を採取し顕微鏡で細胞を観察する検査) |
|
|
2:外観状しこりは認められないが、臨床所見から腫瘍の疑いが考えられる場合。 |
全身状態を考慮した上で、一般的な血液検査、レントゲン、超音波検査などで体の中を詳細に調べていきます。
|
|
|
|
|
・これまでの診察で腫瘍疾患の疑いが強い場合、可能であれば組織検査(バイオプシー)を行います。また、腫瘍の発生部位や種類によっては造影レントゲン検査や遺伝子検査(リンパ腫)なども行います。
|
|
|
|
|
副腎皮質腺癌
伏在静脈造影検査
|
|
膀胱 2重造影検査
|
|
|
|
|
・各種検査を踏まえ、確定診断されたがんの種類、体の中での進行度(ステージ)、再発率、転移率などの文献的なデータ、各治療法による予後などをお話しさせていただきます。 |
|
|
|
・動物の全身状態、ご家族の意向、診断結果を基に、これからの治療方法を話し合います。 |
|
がんの治療方法は外科的治療、化学療法、免疫療法、そしてターミナルケアまで様々な方法があります。各治療法のメリット、デメリットを詳細に説明させていただき、最終的に飼い主様のご判断により治療方針を決定し、治療を開始いたします。 |
|
病気の診断名が同じでも、個々の体にできた「悪性腫瘍の挙動」は千差万別で、治療に関してもそれぞれの動物たちに、それぞれの治療法が必要であることを、多く経験しております。 |
|
また、がんの治療には飼い主様と我々病院スタッフとの十分な連携が必要であると同時に、治療効果を高めるための最も重要な因子の一つと考えております。治療中、不安なことやわからないことは何でも遠慮なくご相談ください。 |
|
|
|
近年、様々な予防が普及し犬も猫も以前から比べると長生きになりました。しかし、高齢化が進むにつれ人と同様に腫瘍疾患の増加も認められています。現在、犬における死亡原因の約25%は悪性腫瘍であり、10歳以上では約50%(日本獣医がん学会)という報告もあります。 |
がんという病気は、今でも暗く悲しい言葉を連想させる単語ですが、全ての悪性腫瘍に対して最初からあきらめる必要はありません。腫瘍の種類にもよりますが、早期に適切な治療を行うことで完治するがんもあります。 |
そのためには、早期発見・早期治療が大切であり、がんの進行度が早期であるほど、完治の確率は高くなります。 |
|
しかし「がん」は必ずしも根治可能なものばかりではありません。進行してしまったがんに対して、できるだけ腫瘍の進行を防ぐ治療法や、今、動物たちが苦しんでいる症状に焦点を置く緩和的治療、「痛み」をとってあげるペインコントロールなど、たくさんの治療法があります。これらの治療は「できるだけ普段の生活を快適に、楽にしてあげる」という考え方に基づき行います。 |
|
「がん」の進行度と動物の全身状態を考慮しながら治療を行うことが大切です。 |
我々は、日々獣医医療の研鑽に務めるとともに、家族の一員である動物たちにとって、何を優先し、どうやってその子らしく、楽しく、1日でも永く共に過ごせるのかを、皆さまと一緒に考え、少しでも幸せに暮らしていける手助けができればと思っております。 |
|
|
|